センコー株式会社との取引開始
平成8年(1996)8月、エースマリンは、初の高温液体船として、1,000トン積の「扇栄丸」を新造した。依頼主は、オペレータのセンコー株式会社で、C重油の代わりに燃料として使用するためのアスファルトを、堺から旭化成の水島製造所に輸送する業務である。アスファルトは、青野海運にとって初めて手掛ける積荷で、摂氏150度以下になると粘度が強くなる。このため、温度管理が重要で、タンクの内部に摂氏210度のオイルを循環させて、輸送中の温度低下を防いだ。
青野海運とセンコーとは、それまで住友化学や旭化成のアンモニアを運ぶ同業者としての付き合いであったが、このとき初めて直接取引を行い、「扇栄丸」の新造にあたり、センコーが建造費の49パーセント、青野海運が51パーセントを出資した。
平成10年(1998)6月、センコーの依頼により、2隻目となる1,000トン積の「扇雄丸」を新造して、横浜から旭化成の富士工場へのアスファルト輸送を担った。「扇栄丸」「扇雄丸」という船名は、センコーの旧社名から「扇」の一字をとったものである。